2018年5月講演会&交流会:香純 恭講演会(記録)

日時: 2018年5月7日 月曜日

「ニューヨークの仕事人シリーズ」
海を渡ったサムライ・ママ
アメリカ初の日本人女性殺陣師 ~ 逆境を順境に変える発想転換術

参加人数:60名
場所:JAA会館
講師:香純 恭(かすみ・きょう)さん(殺陣波濤流NY代表・殺陣師・プロデューサー・俳優)
特別ゲスト:本田真穂さん (俳優・プロデューサー・モデル)
モデレーター:津山恵子さん (ジャーナリスト)
司会:平山幸江さん
開会の挨拶:長谷川久美子さん

小さい頃からアクション好きでした。と語り始める香純さん。

所属していた大手芸能プロダクションの先輩から誘われて殺陣の道場に入った瞬間、空気が吸えないほどの緊張感が走った。全員男性、誰もその女の子には一瞥もしない。当然女子更衣室もなければ、女子トイレもなし。それでも、彼女は道場に通い続けること1年が過ぎた頃、ひたむきに殺陣を振る彼女へ少しずつ話しかけられるようになる。プロを育成するこの道場へタレント上がりの女の子など、直ぐに辞めるだろうと思われていたが、違っていた。そして更に3年が過ぎた頃、彼女は幹部になろうと意を決し更に努力を重ねている矢先、夫の仕事の都合でニューヨークへ。その時、妊娠8ヶ月。

いきなり言葉も通じない海外で、キャリアを捨て、3人の子育てに翻弄される人生へと予想外のギアチェンジを余儀なくされた。しかも子供3人とも重度のアレルギー、アトピーをもつ。そのため、3人それぞれ違うお弁当を用意するのが日課。アメリカはアレルギーへの理解が日本より進んでいる点が子育てをする上でプラスだったと振り返る。しかし、殺陣ができなくなったショックから立ち直るには半年を要するほどだった。そして彼女のサムライ魂の火は途切れることなく、殺陣の所作から学ぶ日本の伝統的な礼節や武士道精神、相手を思いやる心を伝える本格的な道場の開設を決意。生徒は多国籍で、子供、初心者からプロの俳優まで指導する道場として、この4月で4周年を迎えた。「ウェストチェスターの道場はマンハッタンから電車で通うため、とにかく通い続けて頂く為に、授業料は破格で提供し続けています。」「俳優の方も多く生徒さんにいらっしゃいます。日々彼らはオーディションという戦いの中でストレスを持って生きています。この道場が少しでもオアシスとなればという思いで取り組んでいます。」という熱意と優しさがこぼれるコメントも。

殺陣は相手の呼吸をよみ、相手を引き立たせるために自分の立ち位置と振る舞いを定めるもの。刺す時まっすぐ刺せば良いものを敢えて隙を作るのが殺陣。それが相手を思いやること、に通じるのだと。

それでは、ここで実演を見せていただきましょう、との津山氏の誘導で、香純さん快く斬られ役をご披露。見事な斬られ演技に会場は一気に盛り上がる。「実は斬る側より、斬られる側の演技が重要。そのアクションを派手にしてもらいたければ、チップをはずむと良いんです」と現場の裏話も。

「男世界の殺陣をテーマに、女性主役の映画をつくりたかった。一番カッコいいのは、相手と仲良くなること、つまり殺さないことだと思うんです」

こうして彼女が初めてプロデュースした映画作品『First Samurai in New York』が出来上がる。5月開催のLA映画祭、“Artemis Women in Action Film Festival”に招待され、さらに、Best Fight-Weapon賞の最優秀賞受賞。

本映画の主演を務めた女優・本田真穂さんに登壇いただき、津山氏が映画作成中の大変だったところはとの質問に「NGが出せないという緊張感です。殺陣なので、相手に怪我をさせないように努めますので。」 香純さん「アジア人のしかも女性で、アメリカ人の俳優からはRespectゼロ。しかも彼らはマッチョで大きいし、強いという自負がある。こんなおばさんにやられるわけがない、と思っていざ私の殺陣を見せるとびっくりするんです」更に「殺陣は強さではない、相手と呼吸を合わせることが重要、と気づいた時、急に彼らは私に質問してくるようになって、そこから信頼関係が築けましたね」これからの香純さんの益々の活躍が期待される。

講演会後は飲み物と軽食をとりながら香純さんと本田さんを囲み、交流会を楽しみました。

出席メンバー:石田圭子、満仲恒子、長谷川久美子、津山恵子、石田多叡子、平山幸江、松尾菊、浅井早苗(計8名)

よみタイム記事
https://www.yomitime.com/event_051118/0005.html

週刊NY生活記事
https://www.nyseikatsu.com/2018/05/jaaビジネスウーマンの会%E3%80%80殺陣師、香純恭さん

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